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あかちゃんほしい

妊娠に影響しやすい主な性感染症

セックスを通じて感染する性感染症には、不妊や流産、早産につながりやすいものがあります。
ここでは、代表的な性感染症を紹介します。心当たりがあれば、妊娠前に治療をしておきましょう。
陽性ならパートナーも必ず検査を受け、治療する必要があります。

クラミジア感染症

10〜20代に多く、性感染症の中ではもっともポピュラーな性感染症です。
クラミジア・トラコマチスという細菌が感染して1〜3週間で発症します。

症状チェック
  • 自覚症状はあまりない
  • おりものが増えた
  • 不正出血を伴う軽い下腹部痛がある
不妊や子宮外妊娠、流早産の原因にも

症状には上のようなものがありますが、多くは症状を自覚できないため、子宮頸管、子宮内膜、卵管へと拡がって炎症を起こすこともあります。

炎症が続くと臓器の癒着が起こり、不妊症になったり、子宮外妊娠や流産、早産を起こすこともあります。また、感染したままで出産すると、産道で赤ちゃんが感染して結膜炎や肺炎を起こすこともあります。

抗生物質を服用することで、2週間ほどで治療できます。妊娠前に検査をして治しておきたいですが、妊娠した後に気付いても治療は可能です。

淋病

淋菌という細菌によって起こります。クラミジアの次に多い性感染症です。

症状チェック
  • 自覚症状はあまりない
  • おりものが多くなった
  • 黄色い膿のようなおりものが出る
女性は自覚症状がないことが多い

淋菌に感染すると、男性の場合は「尿道炎」になり、尿道から膿のようなものが出て、排尿痛があるため症状に気付きやすいものです。
しかし、女性の場合はおりものの増加が気になるくらいで、あまり自覚症状はありません。

しかし、放っておくと膣や子宮内、子宮周辺に炎症を起こし、妊娠しにくくなったり、子宮外妊娠を起こすこともあります。また、妊娠中だと子宮内に感染が広がり、流産、早産、子宮内胎児発育遅延が起こることもあります。

また産道から赤ちゃんに感染すると、結膜炎が起こることもあります。

パートナーが尿道炎になったら、女性も必ず治療をしましょう。抗生物質等の内服薬や注射で治療をします。

性器ヘルペス

単純ヘルペスウイルスによって感染します。
初回の感染では痛みが激しく日常生活も困難になるため、入院治療になることもあります。

症状チェック
  • 外陰部に痛みのある水疱や潰瘍がある
  • 歩けないほどの痛みを感じる
  • 尿がついただけでも激痛がある
再発させないように注意しましょう

最近では、オーラルセックスによって口の中や周辺にできる口唇ヘルペスが性器に感染したり、逆に性器ヘルペスが口の中に感染する例も増えています。
初めての感染の場合は、3日〜1週間ほどで水疱ができ、これがつぶれると潰瘍になります。抗ウイルス剤を内服しながら、軟膏を塗って治療することで1週間程度で症状が治まります。

一度かかると完治は難しいため、再発させないように気を付けます。
特に、妊娠中は体の免疫力が低下して再発しやすく、飲み薬の使用は慎重を要するため、体調管理に気を付ける必要があります。初めての発症では出産1ヶ月前、再発では出産1週間前までに発症した場合、帝王切開になります。
産道を通じて赤ちゃんに感染するとほとんどは死亡し、生存しても重い後遺症を残すことになるためです。

カンジダ膣炎

カンジダというカビの一種が膣内で繁殖して、炎症を起こします。
体の抵抗力が落ちたときに、感染しやすい病気です。

症状チェック
  • 豆腐やカッテージチーズのような白いパサパサしたおりものが増える
  • 膣内や外陰部に強いかゆみがある
抗生物質の長期使用後には注意

カンジダは、抗生物質を長期服用した後、妊娠中、体の抵抗力が落ちたとき、膣内を洗いすぎた後などに増殖して炎症を起こします。外陰部が赤くなる「外陰カンジダ症」を併発することもあります。セックスによる感染は少ないですが、主に感染源は女性側になります。

抗真菌性の膣錠や内服薬を使って、カンジダが完全にいなくなるまで治療します。
約1週間〜10日で完治します。妊娠前に完全に治療しておくのがベストですが、妊娠中でも治療は可能です。産道を通じて赤ちゃんに感染した場合、口の中にカンジダが感染する「鵞口瘡(がこうそう)」という病気になり、授乳ができなくなることもあるため、出産までの治療が必要です。

その他、要注意の性感染症

膣トリコモナス症

トリコモナス原虫の感染によって発症します。黄緑色の臭いの強いおりものが出て、性器に炎症が起こり、強いかゆみを感じます。放っておくと、子宮内や卵管にまで炎症が拡がり、不妊や流産、早産の原因となることがあります。
抗トリコモナス剤や膣錠を服用すると、10日〜2週間で治療できます。

尖形コンジローム

ヒトパピローマウイルスによって感染し、性器から肛門にかけて先の尖ったイボがたくさんできます。痛みやかゆみはないため、発症に気がつかずにウイルスが拡がっていることもあります。子宮頸がんの原因になることもあるため、早めに治療する必要があります。

電気やレーザーによる外科的手術や軟膏を使った治療が行われます。産道から赤ちゃんののどに感染してイボができると、窒息やガンの原因になることもあるので、帝王切開での出産になることが多いでしょう。

梅毒

感染後3週間ほどで性器に小さな硬いしこりができ、潰瘍になります。
痛みがないために見過ごされやすく、感染後3ヶ月くらいで全身にバラの花びらのような湿疹が全身にできます。ここで治療することが多いですが、そのまま放っておくと約3年後には全身に硬いこぶのような湿疹ができ、約10年後には心臓や血管、脳にも障害が現れます。

抗生物質を10日〜1ヶ月ほど投与して完治させます。妊娠中は胎内や産道で赤ちゃんに感染すると、流産や死産になることがあるため、要注意です。

HIV感染症(エイズ)

HIVウイルスの感染によって起こります。感染から1〜3週間で高熱や頭痛などインフルエンザのような症状が1〜2週間現れますが、この時点では見過ごされることが多く、その後10〜15年ほどは潜伏期として無症状のまま過ごすことが多いものです。
発症すると「エイズ」と呼ばれ、肺炎や腫瘍などに侵されて衰弱していくこともあります。潜伏期に抗HIV薬等を用いて治療していけば、発症を遅らせることができます。

HIV感染症は、胎内、産道、母乳を通じて母子感染する可能性があります。
感染の確率は約30%、帝王切開なら10%程度と言われています。抗ウイルス剤を使いながら予防しますが、特に妊娠35週以後には血液を通じて感染する可能性が高いため、その前に帝王切開を行うことが多くなっています。

監修/三鷹レディースクリニック院長 天神尚子先生

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